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【9月16日(木)UNHCR WILL2LIVE Cinema 2021『シリア・ドリーム ~ サッカーにかけた未来』特別先行試写会&トーク 当日レポート】

10月1日(金)から開催される「UNHCR WILL2LIVE Cinema 2021 募金つきオンラインシアター」。開催に先立ち、国連UNHCR協会、ユナイテッドピープル社の共催でオンライン特別先行試写会を実施しました。事前申込から抽選で招待された皆様、メディア関係者含め100名を超える方が参加しました。

上映したのは『シリア・ドリーム ~ サッカーにかけた未来』。

ヨルダンにあるザータリ難民キャンプで暮らすシリア難民の青年二人が、サッカーを通じて自らの道を切り開いていくドキュメンタリーです。

上映後のトークゲストには、元サッカー日本代表選手でJICAサポーターの北澤 豪さん、国際NGOで活動されてきた加朱 将也さんをお招きしました。国連UNHCR協会 広報委員の武村 貴世子が司会をつとめ、実際に難民キャンプに足を運び、スポーツを通じて難民の人々と触れ合ってきたお二人のお話を伺いました。

『シリア・ドリーム ~ サッカーにかけた未来』を観て

JICAサポーター北澤 豪さん

北澤さん:
「素晴らしい映画でした。我々サッカーをしてきた人間にとっては、サッカーを通して人間が成長する姿を見られるのは嬉しかったです。ただのスポーツではなくて、教育的な要素や人の心をつかみ取るライフスキルなど、そういうところがスポーツには求められている。恵まれない環境だからこそ、自分がなんとかしなきゃという強い情熱が、何かを達成していく力に変わっていると強く感じましたね」
北澤さんは、2022年にカタールで開催されるワールドカップやご自身の経験に触れながら、この映画の主人公たちのように夢を持つ少年たちに活躍の場を提供していきたいと語りました。

加朱 将也さん

JICA青年海外協力隊として活動後、この映画の舞台であるヨルダン・ザータリ難民キャンプでスポーツを通じた支援をしてきた加朱さん:
「率直に懐かしい。主役やところどころで映っている人も知っている人がいて、とても嬉しかった。以前、いつもほかのスポーツ企画で一緒にいたマフムード君の、サッカーへの強い思いを知ることができて良かったです」
加朱さんは、映画の主人公マフムードとの写真を画面で紹介しつつ、キャンプでは子どもたちのリーダー的存在だったというマフムードとの思い出や、現地で取り組んだ様々なスポーツ支援について語ってくれました。

支援現場で感じる「スポーツのチカラ」

北澤さんは過去にJICAサポーターとして、紛争前のシリアをはじめ世界各国を訪れ、サッカー教室を開催されています。

北澤さん:
「シリアには5、6回行きました。今こういう状況になっていることが、残念で仕方がないです。当時はシリア(が受け入れていた)難民の子どもたちを全国からダマスカスに呼んで、サッカー大会を実施したんですね。遠征して、目標設定をしてという、そのプロセスが非常に大きな学びになった。勝敗だけの味気ないものではなくて、子どもたちが自発的に何か力を身につける、素晴らしい大会をJICAの皆さんとやらせていただきました」

難民の子どもたちの意欲的な取り組みや仲間意識、助け合いの精神は、私たちも学ぶことがある、東京2020大会で難民選手団が結成され、国際社会が理解を示しはじめた中、スポーツは競技を行うだけではなく、人としての目線を持たなければ、とのお話も。

加朱さん:
「スポーツは難民の人々にとって大切な機会。(キャンプの環境で)どうやって人間関係を築いていくかというとき、様々なスポーツプログラムを通じて、難民の人々や様々な国籍の支援者たちが一緒になって、お互いを知る。(スポーツを通じて)知ることが広がるのは非常に面白い。日本国内でのこういうイベントも(目的は)同じなのかなと思います」
加朱さんは課題解決の手段としてのスポーツの在り方、スポーツの教育的価値について、特に女の子にとってのスポーツの重要性についても語りました。

スポーツを通してどんな活動をして行きたい?

加朱さん:
「宗教や言葉が違う人と何かを一緒に成し遂げていく喜びを、スポーツを通じて国内外で伝えていければ。大変なこともあるけど、乗り越えるから楽しいし面白い。地道に長い時間をかけた活動をしていきたいですね」

北澤さん:
「環境作り、きちんとした知識、教育プログラムとしてしっかり落とし込めば、(難民)子どもたちは成長する。時間は多少かかるかもしれないですけど、環境が整えば、難民の人々も始めていける。そういう環境を是非お互いの関係として持ち続けたいですね」

コロナ禍で移動が制限される今、わたしたちにできること

北澤さん:
「国内のみならず、グローバルな感覚を持つことが、今の日本の若者たちにとっても重要なことかなって思うんです。こういった映画を通して感じていただければと思います。先の未来を若者たちに考えてもらいたいと思うので、社会をより良くするために色んなアイディアを出していただければと思いますね」

映画の主人公、マフムードとファウジにかけたい言葉

加朱さん:
「難民キャンプにいる人々から学ぶことはたくさんある。同情ではなく機会を、という言葉が映画でもありましたが、難民キャンプでもシリアでも、また一緒に楽しいことをしよう!と言いたいですね」

北澤さん:
「彼らに会ったら、まず『シュクラン(アラビア語でありがとう)!』と言いたいですね。僕も気づかされたし、その気づきをどうやって次のステージに導いていくかってことを考えさせられました。感謝したいと思います」

支援の現場を知るお二人と司会者ならではの、難民の子どもたちのエネルギーが伝わってくるようなトークは、時間いっぱいまで続きました。

最後にお二人から参加者の皆様に、素敵なメッセージをいただきました。

加朱さん:
「現地で試行錯誤しながら、生き抜こうとしている(難民の若者の)姿をみて、私も勉強になりました。今、日本も世界もそうですけど、コロナ禍であっても前向きに進んでいかなければと映画を観て改めて思いました。その先に何か面白いことがあるのではないかなと思っています」

北澤さん:
「難民キャンプの中で生き抜くチカラを持ち続け、もがきながら生きている人たちがいるんだと、自分自身の視野が広がる機会になりました。今日参加した方が周りの方々に話すことによって大きな広がりになる。10月1日に向けて、皆さんのお力で大きな広がりをつくり出せれば、また一歩、難民キャンプや社会が変わるきっかけになると思います」

参加者のコメント

「教育、医療、スポーツ等の機会が失われた難民の方々に、世界がどのように支援していけるのかを考えさせられました」(50代女性)

「難民キャンプの様子が鮮明に伝わってきました。自分もスポーツを長年やってきましたが、難民キャンプであろうと日本であろうと、スポーツの中で起きていることや得られる経験はとても似ていて、まったく異なる環境にいるにもかかわらず、彼らに対して仲間のような感覚が芽生えました」(20代男性)

「実際に足を運んでいなければわからない人々の温かさや、スポーツによる結束を私もいつか感じてみたいと思いました。自分に何ができるのか、まだわからないし、まだまだ力不足だけど、考え続けていきたいです」(10代女性)

「UNHCR WILL2LIVE Cinema 2021 募金つきオンラインシアター」は10月1日(金)より始まります。映画を通じて難民の人々の「生き抜くチカラ」に触れ、日本に住む私たちに今何ができるか、考えるきっかけになれば幸いです。

皆さんのお申込みをお待ちしています。

< 主催 >
特定非営利活動法人 国連UNHCR協会
< 協力 >
国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所
< パートナー >
独立行政法人 国際協力機構(JICA)