「募金つきオンラインシアター UNHCR WILL2LIVE Cinema 2020」で視聴可能な映画6作品の中に、アフガニスタンを背景としたドキュメンタリー映画『ミッドナイト・トラベラー』と『ソニータ』があります。
この2作品が舞台となったアフガニスタンについてお伝えします。
『ミッドナイト・トラベラー』は、ハッサン・ファジリ監督が、自分のスマホで、アフガニスタンを逃れて安全な場所を求めて国から国へと移動を余儀なくされた自分と家族の姿を記録し、2019年に発表した作品。
『ソニータ』は、アフガニスタン出身の難民としてイランで育った少女ソニータが、ラップ歌手になる夢を追って米国へと渡る姿を追ったイラン人女性監督が2015年に発表した作品。
2作品はどちらも世界的な映画祭で高い評価を受けました。
アフガニスタンは、かつて王国(1926‐73年)で、1971年に皇太子時代の上皇上皇后両陛下が訪問したこともありました。しかし、1973年共和制になり、1978年社会主義政権に移行すると、全土でムジャーヒディーン(イスラム義勇兵)が蜂起しました。1979年2月に隣国イランで革命が起きてイラン・イスラーム共和国が成立すると、同年12月に当時のソビエト連邦がアフガニスタンへ軍事侵攻し、多くの人々が隣国のパキスタンとイランに難民として流出しました。それから約10年を経て、ようやく1989年2月に駐留ソ連軍の撤退が完了しましたが、1996年、タリバンが首都カブールを占領し、アフガニスタン・イスラム首長国の成立を宣言。この年にソニータは生まれました。
2001年米国同時多発テロ事件(9.11)を機として、10月より米・英等によるアル・カーイダ及びタリバンに対する軍事行動が起き、タリバン政権は崩壊。2002年1月21日に、東京でアフガニスタン復興支援会議開催され、その共同議長を務めたのが、90年代にUNHCRのトップとしてアフガン難民の問題解決に心を砕いてきた緒方貞子さんでした。2002年6月以降は、アフガニスタン・イスラム共和国として紆余曲折を経ながらも今に至っています。
緒方さんは、2003年から9年間JICA(国際協力機構)理事長の任にあった時にもアフガニスタンを訪問され、常に気にかけていた国でした。2019年10月22日に緒方さんが92歳で逝去されて間もなく、12月4日に、アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードで、NGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さん(73)が殺害されるというショックなニュースが飛び込んできました。
今は亡き緒方貞子さん、中村哲さんが、それぞれの立場から、同じ地球に生きる仲間であるアフガニスタンの人々のために力を尽くしたこと。映画を通して、私たちと同じ時代を生きているハッサン・ファジリ監督とソニータに出会うことで、今の自分にできることを一緒に考えてみませんか?
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https://will2live.jp/unhcr/2021/otwd2020-01/
世界で最も長引く難民危機 ― アフガニスタン
https://www.japanforunhcr.org/lp/afghanistan